私は音楽とは無縁の家庭で育ちました。

5歳のとき、ピアノが弾ければ

手に職がつくと思った母に連れられて近所のピアノ教室へ。

ピアノの先生が赤えんぴつで"はなまる"をグルっと書く

颯爽とした姿にすっかり魅了され、

物心ついたころから夢は

『先生みたいなピアノの先生』

『人の倍はかかる子』と不器用でしたが

一歩一歩こつこつ練習すれば

いろんな曲を弾けるようになっていきました。

プールやお習字の習い事は辞めてしまいましたが

ピアノだけはずっと続け音楽専門の学校に進学。

そこで、同じ道を志す仲間や素晴らしい先生方との

出会いがありました。

音楽学校での学内演奏の大失敗、コンクールの落選

夢みて出発したフランス留学では

暖房が壊れ寒い住居に壊れそうな小さなピアノ

学校のレッスンもカリキュラムの関係でままならず

たくさんの挫折や厳しい現実に路頭に迷うことも

大きな学びのチャンスと捉え、必死に過ごしました。

 今振り返ればそんな学生時代は

生涯でかけがえのない宝物のような時間だったと思います。

そして、夢が叶ったピアノの先生は

優雅にレッスンさえしていればいいというわけではなく

実際にはレッスンや演奏に勉強がずっと続いていきます。

レッスンは生き物のようで

毎回ワクワクドキドキですが

だからこそ今とても日々充実しています。

ピアノを弾けるようになり

それが"自信"になって

迷いそうになったとき、くじけそうになったとき

「自分にはピアノがある」

と心の支えになる人生の大きなギフトになってくれたら

という想いでピアノを教えています。